業務上重視していること

●気づき

人が自分のこととして何かに取り組むときは、自分の内面からその取り組みが重要であり、必要であると認識しているときです。他人がそれをいくら重要だと説いても受け手がその重要性に気づかなければ、行動には起こしません。起こしたとしても言われたからやる、という受け身的な、形式的なものとなります。

 

外部の人間が主導する研修やコンサルティングによる業務改善、各種プロジェクト活動なども同じことがいえます。

研修や各ミーティングの場でいくらこうした方が良い、あーした方が良いといっても、受け手がその必要性を理解していなければ意味のない活動となります。

 

したがって、研修やコンサルティング業務の中ではこちらが一方的に説明したり、指示を出すのではなく、双方向のコミュニケーションとなるようなやり取りが重要となります。相手に何かを気づいてもらためには、いろいろな角度からものごとを考えてもらう必要があります。考えてもらうためには、こちらからも適切な質問を投げかける必要があります。

 

質問をされれば人は考えます。そのやり取りが相手に気づきを与えることにつながり、主体的な行動を促します。


●ゴールの明確化

仕事には目的、目標(ゴール)があります。それがない仕事があるとしたらそれはしなくても良い仕事かもしれません。

 

会議でも商談でも最終的にどのような状態を獲得するのかというゴールがあります。そのゴールが曖昧ですとそこにたどり着くプロセスも曖昧になります。ゴール到達までのプロセスが曖昧ですとそこには多くのムダが発生することになります。

 

研修や業務改善活動等も同様です。研修終了後、その活動終了後にどのような状態なっていれば良いのか、何が獲得できていれば良いのかというゴールをまずは明確にし、関係者間で共有することが重要だと考えています。


●定量化・数値化

仕事に取り組むにあたっては、何ごとも定量化、数値化することを心がける必要があります。設定したゴールも数値で示されていた方が目指すべきレベル、状態を把握しやすく、共有しやすいものとなります。

 

納期設定においてもできるだけ早く、ではなく、できえば今日の17時までに、最悪でも明日の午前10時までにと設定した方が明確になります。


●活動の不可逆化

業務改善活動や生産性向上活動をコンサルタントのような外部の人間を活用して進める場合、よく聞くのが支援してもらっている間は成果が出ていたのだが、自分たちでやるようになると元に戻ってしまった、という声です。元に戻ってしまう原因は、その期間の取り組みが一過性のもので終わっていたということです。それを防ぐためには、業務改善活動、生産性向上活動の取り組みがそのまま日常のマネジメントサイクルの中に落とし込まれている状態にする必要があります。業務改善活動も生産性向上活動も本来は組織目標を達成させるための取り組みの一環です。今までのやり方で個々が仕事をしていては組織目標の達成が難しいから何らか手立てを打っていくというのが業務改善活動であり、生産性向上活動です。

 

それは、組織目標達成のための問題を抽出し、排除していく取り組みともいえます。それは、マネジメントサイクルを回していく活動そのものです。したがって、業務改善活動や生産性向上活動の支援をおこなうさいには、常にこれからのマネジメントの仕組みや回し方をイメージしながら外部コンサルタントがいなくなっても主体的にクライアントが推進していけるようにと考えています。