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事業の成長曲線と新規事業の立ち上げ期

大正15(昭和元年)年12月25日(1926年)、大正天皇が崩御され即日裕仁親王が践祚、

昭和へと改元されました。

以降、昭和は64年まで続きました。初期の20年間は第一次世界大戦後の経済不況から

の戦争の時代、昭和20年からは戦後の復興からの高度経済成長時代、オイルショック後

の昭和48年からは安定成長時代、そしてバブル景気突入で平成へと移っていきました。

 

事業の成長曲線では、事業は導入期、成長期、成熟期、衰退期と推移していくといわれ

ています。どんな事業でも未来永劫安泰ということはありません。新たな競合や市場の

変化により衰退期に入ります。現事業が衰退期に入り、どうにもならなくなってから次

の事業を考えるのではなく、成熟期の段階で次の事業分野を育てていくように企業全体

を運営していく必要があるということです。

 

日本株式会社は、戦後の復興の中で自動車や家電などを中心とした重化学工業事業で成

長していき、安定期(成熟期)に入ったところで次世代の事業を育成することに目を向

ける必要がありました。ところが、楽してお金を儲けることに走り出してしまい、バブ

ルを生み、はじけてしまいました。

 

自社の各事業が成長曲線のどのステージにあるのか、その事業を取り巻く環境はどのよ

うに推移し、その変化に対して自社の強みをいかしてどう勝ち残っていくのかを検討し、

具体的な施策を取捨選択していくのが戦略立案です。そしてそれが形となったものが中

期経営計画となります。

 

3年から5年先までを見通した自社の中期経営計画を毎年(場合の寄っては半期ごと)見

直し、作成するのがローリングプランです。環境変化が激しく、予測が難しいからこそ、

常に3年から5年先を見渡して、修正をかけていくようなサイクルを回していく必要があ

ります。

 

それを経営幹部(候補)陣と一緒に整理し、検討していくプロセスが次世代の経営幹部

の育成につながるのだと思います。