営業活動のデータ化の進め方

●収集する営業活動データ

 

 営業活動の生産性は、営業活動の「量」と「質」で捉えることができます。「量」とは、個々の営業担当者が対応しているお客様の数、案件数であったり、投下している時間で測定できます。  

 

 「量」を時間で見る場合は、大きくは残業を含めた合計労働時間(合計勤務時間)で見ますが、さらに分解すると合計労働時間の中で営業担当者の本来業務にどのくらいの時間を投下したのかを見ておく必要があります。本来業務とは各企業で定義づけをすれば良いのですが、通常は「商談」業務となります。営業活動は、お客様との「商談」を通して成約までの道筋を上がっていく活動です。最近は、直接訪問による「商談」だけでなく、メールのやり取り、リモート形式の「商談」とスタイルは様々ですが、「商談」は「商談」です。これに時間がどれだけ割けているかが「量」の尺度としては重要となります。

 

 「質」は、対応したお客様の数に対して何件受注できたのか、という受注率、成約率で見ていきます。また、初回接触から何日で成約できたのか、という営業スピード(日数)でも「質」を見ることはできます。一つひとつのお客様とのやり取りができていれば、ムダな動きもなく最短日数で成約となると考えられるからです。

 

 「量」:対応したお客様の件数

     合計労働時間に占める「商談」時間の割合

 

 「質」:受注率、成約率

     営業スピード

 

 上記のデータを日々の営業活動の中で記録して一定期間の中で集計すると、全体と担当者別の生産性の状態と課題を捉えることができるようになります。

 

●「量」のデータ収集方法

 

 「量」に関するデータで一番簡単に収集できるのは、対応したお客様の数です。これは、対応顧客リストを作成し、成約に至っていないお客様、途中で没になってしまったお客様を含めてカウントするだけです。

 さらに、本来業務に投下した割合をデータとして収集する場合は、日々の「商談」時間の実績値のみを記録して、一定期間の中で集計します。

※合計の勤務時間はタイムカードのデータで集計するか、別途記録しておくことになります。

 

●「質」のデータ収集方法

 

 受注率、成約率は、対応案件数に対する受注件数の割合ですので、上記の「量」の測定に使用した顧客リストから算出することができます。営業スピードに関しては、初回接触日、受注日を案件ごとに記録しておく必要があります。SFAを使用していれば、そこからデータを抽出することができる場合もありますが、特にそのようなソフトを使用していないのであれば、エクセルベースで記録、集計していくことになります。

 

「営業活動進捗管理シート」

(本シートのようなものでも十分データを集計し、分析することはできますので、ご参考にしていただければと思います。)