営業活動の標準化

●営業活動の標準化の意義

 

 営業活動の標準化というと「営業マニュアルを作ること」と考える方は多いのではないでしょうか。飲食店などのマニュアルでは、サービスの手順やお客様とのやり取りのセリフまで一つひとつ決められているためか、マニュアル化というと画一的、機械的な活動を強めるという印象を与えてしまうこともあります。しかし、それは一つの側面にすぎません。特に一般的な営業活動においては、いくらマニュアル化を進めたとしてもやはり、最後は、営業担当者個々の力量、対応力が求められます。

 では、なぜ、営業活動の標準化が重要となるのでしょうか。それは、以下のメリットがあるからです。

 

 ①最低限の品質基準を維持しやすくなる

 ②そこから逸脱した場合の問題を見つけやすくなる

 ③逸脱した問題の原因分析、改善がしやすくなる

 ④ムリ、ムダ、ムラの無い営業活動となる

 

●営業活動の標準化で押さえておくべきこと

 

 営業活動の標準化で押さえておくべきことは、単に営業手順や実施内容、営業トークを網羅するのではなく、何をもって標準的な動きとなっているのかという基準を設定することです。基準とは、営業活動の「量」と「質」についてです。これが設定されていませんと、マニュアル化された内容に沿って活動するだけのものとなります。営業活動はお客様やその時々の状況に応じて対応方法も変わってきますので、画一的に動けば良いというものではありません。そのために、常に結果とプロセスを照らし合わせながら、プロセスの改善をおこなっていく必要があります。つまり、マニュアルにしたものは、実際の活動とその振り返りにより常に修正、追記されていくということです。これを可能とするのが、「量」と「質」の基準設定となります。

 

●営業活動の標準化ステップ

営業活動の標準化、生産性向上
営業活動標準化ステップ
営業活動の標準化、生産性向上
セールスステップ例

 

 標準化のステップは左上のフロー図となります。それをまとめたものが右上の表です。右上の表にまとめるに当たっては、営業部門全員で順番に意見を出し合い、互いのやり方や認識の確認をしながら埋めていくと本当の意味での情報共有が進みます。

 

●実働による検証と追記、修正

 

 右上の表が一旦完成しましたら、実際に動いてみた結果をこの表の中に反映させていきます。その際に基準となるのが、営業活動の「量」と「質」のデータです。「量」に関しては、個々の受注目標から逆算したときに、どの程度の活動量が必要かが見えてきますので、それを基準とします。「質」に関しては、各ステップに上がるのに要する標準的な期間(日数)を仮に設定しておきます。その上で、実際に動いた結果、誰がどのステップで基準との乖離がどの程度発生しているのかを確認し、なぜそのようになったのか、何ができていなかったのか、どのように補強すれば良いのかを皆で検討し、右上の表に追記、修正していきます。

 この確認を2週間~1か月に1回程度の頻度でおこなっていくと、

 

 ・各ステップで最低限実施すべきこと

 ・各ステップで活用すべきツール類

 ・各ステップで新たに準備、用意すべきツール類

 ・各ステップで必要となるトーク(応酬トーク含む)

 ・各ステップでの注意点

 

がまとまっていきます。

 

 ある程度標準化され、基準も設定できましたら、それを定期的にチェックしながら追記、修正、改善を加えていくサイクルを定着させます。それが組織全体の生産性を向上させることにつながります。

 

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