意思決定力

管理者は常に意思決定を求められます。トラブルが起こった時にどのような手を打つべきかを指示する、お客さんの要望を受けて部下がどのような提案をするべきか悩んでいる時にアドバイスをする、今後の活動方針を固める会議の中で具体的な実施内容を決める、部下が業務に追われて残業続きの状態の時に全業務の優先順位を設定し、負荷オーバーの状態を解消させる等々。

 

これらの意思決定をする力は次の要素により構成されています。

 

1)問題を問題として捉える力

2)問題解決の納期意識

3)意思決定するための条件設計する力

4)最悪の事態を想定する力

5)最善の策と次善の策を設計する力

6)最小リスクを受け止める力

 

1)については、意思決定すべき対象を認識できていなければ意思決定しようとはしませんので一番最初に必要となります。2)については、問題として認識していてもいつまでにそれを解決しなければいけないかが曖昧であれば、問題の先延ばし、意思決定の先延ばしとなります。3)は、意思決定する際の判断基準を持つための条件を持っているかどうかということです。何と何が確認できればそれによって意思決定する、というものがなければ、ただ漠然と時間が過ぎていき、意思決定もズルズルとしないままとなります。4)は、意思決定すべき問題を放置することでどのような状態になるのかを想定することができるかどうかということです。そして、その状態と何らかの手を打つことによって発生するかもしれない状態とどちらがより好ましい状態かを判断することができるかどうかです。5)は当初のゴール達成が最善の策であれば、そのゴールの品質を下げることでもカバーができるかどうかを判断することです。6)は、以上のような推測の中で起こりうる最低限のリスクに対処する、または受け止める覚悟を持てるかどうかとなります。

 

これらができていないと、結論の先延ばし、後手後手の対応ということが組織の中でまん延します。