目標管理制度と日常のマネジメント

永禄9年11月21日(1567年1月1日)、月山富田城を包囲していた毛利軍に尼子義久が降伏、

開城し、最大11ヵ国を支配していた尼子氏が滅亡しました。

 

尼子氏滅亡後、その再興のために働いたのが尼子氏の家臣であった山中鹿介です。山中鹿

介の言葉で有名なのが、「我に七難八苦を与えたまえ」です。尼子家再興を三日月に祈っ

た際の言葉だと言われています。

 

残念ながらその願いを実現させることはできないまま、毛利氏側に殺されてしまいました。

余談ですが、山中鹿介の息子はその後、鴻池郷で酒造業を始め、鴻池財閥の始祖となりまし

た。酒造業から海運業、両替商と事業を拡大し、明治維新後は鴻池銀行となり、戦後は何回

かの合併を経て三和銀行、UFJホールディングス、三菱UFJファイナンシャルグループと続い

ています。

 

七難八苦とは様々な困難や苦しみのことです。山中鹿介は七難八苦を乗り越えていくことで自

分を成長させ、それが尼子家を再興する力となっていくと考えたのだと思います。

 


筋力トレーニングでも筋力をつけるためには、負荷をかける必要があります。人材育成において

もその人の能力よりも少し難しい課題をクリアさせ続けることが重要だと言われています。

 

目標管理制度では部下の目標設定のために上司と部下が面談することを運用ルールとしている会

社が多くあります。しかし、大半は形式的な面談となってしまっているようです。そもそも、マ

ネジメントを遂行するためには、組織目標と個人目標の連動、設定が不可欠です。それがなければ、何をどのように実行するべきか、実施したやり方が適切だったか、何を軌道修正すれば良いか等を判断することができません。

 


目標管理制度が上手く運用できていないという場合は、日常のマネジメントがそもそも適切に遂行されているのか、をチェックしておく必要があります。制度面の運用に注力しすぎてしまうと折角の目標管理制度が人事部からの押し付け業務と捉えられてしまい、制度の形式化を促進させることになります。