リーダーとカリスマ性とリーダーシップ

寛永14年10月25日(1637年12月11日)、有馬村のキリシタンが代官所を襲い、島原の乱が

勃発しました。

 


一揆軍の総大将にはカリスマ性があった天草四郎時貞という16,7歳の少年が祭り上げられ

ました。総大将といっても一揆軍の指揮をとるわけではなく、実際に乱を計画、指揮してい

たのは、関ケ原の戦いで敗れた小西行長の旧家臣(浪人)や庄屋たちでした。

 


一般に、島原の乱はキリシタンによる一揆とされる場合が多いですが、一揆軍の構成を見て

いきますと、必ずしもキリシタンによる宗教一揆ではないということが分かります。旧小西

家、旧有馬家の浪人たちや、厳しい年貢の取り立てに苦しめられた百姓たちによる反乱とい

う側面の方が強いようです。また、百姓の中には浪人たちに無理やり一揆軍に入れられ、戦

わされた者も多くいたようです。そうなりますと、島原の乱とは、家を取り潰され、職を失

った浪人たちによる現徳川政権に対する反乱であり、天草四郎は、キリシタンたちを巻き込

むために利用されたという見方もできなくはありません。

天草四郎にまつわる様々な奇跡(病をなおした、海の上を歩いた等)も浪人たちがキリシタ

ンを巻き込むために創作したものだったかもしれません。

 

 

リーダーになる人にはカリスマ性が必要だという人がいます。しかし、カリスマ性がなけれ

ば、リーダーになれないか、リーダーとして組織をひっぱっていけないか、となるとそうで

はないと思います。

 


リーダーとはポジションであり、一つの役割です。リーダーは、目指すべき方向性(ビジョン)

を示し、そこに向けて皆を引っ張っていきます。ビジョンを実現するためには、具体的な目標

を設定する必要があります。そして、なぜその目標を達成する必要があるのかを皆に説明し、

理解してもらう必要があります。これがないと、リーダーだけが前を走り、フォロワーがついて

こないという裸の王様状態になってしまいます。つまり、リーダーはただ単にビジョンを描き、

目標を設定して、皆に指示を出すというのではなく、皆に説明し、理解してもらうということ

も求められるのです。相手に理解してもらうためには、まずは相手が何を求めているのか、目

指したいのかを理解し、それを踏まえた上でこちらの考え、想いを説明する必要があります。

そして、設定した目標を達成させるためには、自分の能力が不足している点や権限が及ばない

領域に対しても他者を説得し、納得してもらい、巻き込んでいくことも必要となります。こう

いう取り組みがリーダーシップを発揮するということです。

 


リーダーにはカリスマ性はないよりあった方が良いとは思いますが、それ以上に上述のような

リーダーシップの発揮の方が不可欠なものだと思います。また、このリーダーシップはポジショ

ンや役職に関係なく誰でも発揮できる力でもあります。皆がそれぞれの立場でリーダーシップを

発揮している組織は、一人ひとりが主体的に考え、行動します。それだけ組織力が強いといえま

す。

 


リーダーシップを発揮するためには、以下の5つの要素を強化していく取り組みが必要となります。


1)高い達成意欲、目標観

2)十分なコミュニケーション

3)論理的思考力・説得力

4)対人感受性(思いやり)

5)使命感・責任感


職場の中でお互いに上記の要素が具体的にどのような形で表れているのか、行動として起こせているのか、できていないのか、ということを確認してみるということも組織力を高めるための施策となるのではないかと思います。