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営業力を高めるための練習

1905年(明治38年)5月27日、ロシアのバルチック艦隊と日本連合艦隊との間で海戦

がおこなわれました。日本海海戦です。ウラジオストックに向かっているバルチック

艦隊を迎え撃ち、制海権を獲得したい日本にとっては、バルチック艦隊を完全に戦闘

不能状態にする必要がありました。ウラジオストックに逃げ込まれてしまうことは絶

対に避ける必要がありました。

 

バルチック艦隊発見の報を得て、日本連合艦隊から大本営に向けて打電されたのが、

「敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ聯合艦隊ハ直チニ出動、コレヲ撃滅セントス。本日天気晴

朗ナレドモ浪高シ」です。

 

この文の後半部分(本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」は参謀であった秋山真之が追加させ

たものです。

 

「天気晴朗」とは、視界良好ということで敵艦を見失うことはなく、砲弾の照準も狙い

やすいという意味合いが含まれ、「浪高シ」には、戦艦の揺れが激しくなるため、より

砲撃技術が勝っている方が有利となることを意味しています。すなわち、状況は日本側

に有利であることをつけ足しているということです。

 

結果はご存知のとおり、日本の完全勝利となりました。

 

日本の勝利のポイントは、日本の砲撃技術(それを高めるための練習の蓄積)をあげる

ことができます。当時はレーダーがありませんから、砲弾が着弾する様子を見て微調整

をしながら命中させていく必要がありました。そうなりますと、それをスピーディに的

確に実行するためには、砲撃準備から発射までの作業スピードを早めていくことが重要

となります。もたもたしていたら、ターゲットはどんどん動いてしまうからです。

 

バルチック艦隊との決戦準備として、日本連合艦隊はその砲弾の命中率を上げるために

練習を積み重ねてきたということです。片やバルチック艦隊は、日本に向けて7ヶ月間

も航行し続けてきたため、十分な練習もできないまま決戦場に現れたということです。

 

企業の営業活動に関して、「営業はもって生まれた人のセンスによる」というようなこ

とを言う方がたまにいます。そのように考えている人は、自社の営業力を今よりも強化

するためには、センスのある人を採用して人を入れ替えるしかないと言っていることに

なります。

 

また、「営業力強化には経験を積ませていくしかない。」と言う方もいます。その方は、

自社の営業力は、個々の担当者が経験を積んで成果を出せるようになるまで待つしかな

い、と言っていることになります。

 

どちらも言っていることは間違いではないですが、それだけでは、あまりに人任せに

し過ぎのような気がします。そうではなく、やはり、日ごろの練習をいかに積んでいく

かが重要となるのだと思います。

 

営業力を高めるための練習とは、知識面では、自社が取り扱っている商品やサービスに

関することを熟知するための勉強となります。そこで得た知識をどのようにお客さんに

説明するのか(アウトプット)するのかが、プレゼンのロープレ(ロールプレイング)

であり、お客さんからの質問にどのように応酬するのかが商談のロープレという練習に

なるのだと思います。

 

個々の営業力を強化していくためには、少なくとも、上記のような知識面での勉強の場

とロープレの時間をスケジュール化することを習慣化する必要があるかと思います。